30代男女のセックスレスと禁断の恋愛を描いたドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。話題の最終回を、夫婦関係や不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。

◆離婚後に「いい関係」になることもある

 ドラマ『あなたがしてくれなくても』最終話は、視聴者からの疑問が噴出したらしい。原作が終了していないための配慮もあるようだが、中には「これはこれでいいのでは」という声もある。

 みち(奈緒)と陽一(永山瑛太)、誠(岩田剛典)と楓(田中みな実)の二組の夫婦はそれぞれ離婚が成立。だが誠の求愛に、みちが応えることはなかった。

 2ヶ月後に、誠を呼び出した陽一は、ふたりがつきあっていないことを知る。一方、家を出た楓は、引っ越しのごたごたでまぎれてもっていってしまった誠の服を返しに来る。そして誠とみちがそれぞれの道を歩いていることを知り、「あたしはだよ、マヌケじゃん。捨てられた男に捨てられて、あの子だけが涼しい顔して。さんざん振り回して、人の人生変えて……なんか一言言ってやりたい」と怒りまくる。

 このあたりの田中みな実はかなり振り切れていて、非常にいい感じである。楓はファッション雑誌の編集長にはなれず、子ども雑誌を担当しているが、それはそれでやりがいを感じている様子。