◆人と人が刺激し合って、成長する姿が尊い

筆者が特に印象的だったのは、第2話で「なぜベリーダンスを踊るのか?」と問われた田中さんの回答です。「正解の形が見えないんですよ。起源も曖昧で多種多様過ぎて」「正解がないから迷うんです。自分がこうありたい正解を、自分で選び取るしかない」。この、正解がないなかで、自分の頭で考えて生きていこうとする人間の姿こそが、作品のテーマなのだと思いました。

多種多様な価値観が入り乱れる現代社会のなかで、登場人物たちが自分なりにもがき、考え、生きていこうとする姿に勇気をもらえるのです。

また40代の田中さんと20代の朱里を中心に、世代を超えて、価値観を共有したり、認め合ったりして、刺激を受け成長し合う様子は、実に尊い! 相手や自分自身のことを決めつけて、扉を閉じてしまっていないだろうか……と、自身を振り返るきっかけにもなりました。

ラブコメベースで軽い気持ちで観ていられるのに、ところどころでハッと気づかされる。心を掴まれる。そんな名作が、12月24日放送の最終回でどんな終焉を迎えるのか、最後まで楽しみです。