◆倫子の笑みが怖い

NHK『光る君へ』第16回
一晩、家を空けた道長を迎える倫子。

道長の姿を見送り。恐ろしいことを口にする。

「殿のお心にはもうひとりの誰かがいるわ」

自分でも、明子でもないもうひとり。

そして、怒るでもなく、笑う。

この笑いがどういう意味なのかが分からなくて怖い。

もうひとりいるなら、道長の言動に合点がいくということか。倫子は鷹揚にしていても、自分とは文のやりとりをしていなかったのに、明子とはしていたのか、と気にしていた。周りが想像しているよりも、倫子は道長に強い想いを抱いているのでは?

そして、その相手がまひろだということもすぐに察するのでは……いや、もう察している?

「香炉峰の雪」についても触れなければと思っていたのだが、すっかり後半の展開に持っていかれてしまった……

<文/ふくだりょうこ>

【ふくだりょうこ】

大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ