それと、足を引っ張るだけだと思っていた助手・雲田に役割を与えたところも的確でした。ハルカンは現地にさらなる降雪被害が出ることを予測し、市役所に乗り込んで避難指示を出させます。すると市民からはクレームが殺到することになる。このクレームへの対処を、すべて雲田にやらせたのです。イベントの中止を拒否している現地にまで行かせて、説得させる。

 雲田は雲田で、過去に突風によるクレーンの転倒事故に遭遇し、家族を亡くしたことがありました。だから、説得にも力が入る。こういう過去の設定と現在の行動がバチンとリンクしてくると、シーンに納得感が出る。

 私服で来てたのも、そうした雲田の行動を評価したハルカンが「SDM」メンバーとして認めたことを示すために、名入りジャンパーを進呈するシーンを撮るためだったんですね。ここはちょっとあざといと思ったけど、雲田役の出口さんがすんごく達者なので感動的になってる。出口さん、前クールの月9『君が心をくれたから』(同)では、かなり損な役回りでしたけど、今作は番手も上がっていい役をゲットしましたな。

 大臣と発案者が血縁関係だったり、リーダーがその婚約者だったり、消防隊にも身内がいたり、遭難者と救出隊にも親戚関係があったりと、ちょっとそのへんもあざといよなぁと感じましたが、それも今後の塩梅かと思います。

 第1話はおもしろかった。何しろ、見終わったころには、なんとなく「SDM」というチームが実存している気がしてきましたので、成功の予感がします。

(文=どらまっ子AKIちゃん)