■まずはチーム編成の発表です

 まずは発足したばかりの「SDM」という組織の成り立ちから始まります。ハルカンは5年前に婚約者を豪雨災害で亡くしており、それ以来「人の命を救うこと」に取りつかれているそうです。そのわりにメディアに出まくったりチャラい感じで人気者になったりと、あんまり真面目に研究に勤しんでいる感じではありません。

 そんなハルカンの助手として気象庁に入庁してきたのが、雲田彩(出口夏希)という若い女性。口の悪いハルカンに「お前」とか「帰れ」とか「女」とか言われてヒヤヒヤしますが、得意の中国語で「クソむかつく」などと言い返す気の強さを見せます。雲田からすると、偉そうにしてるくせにテレビで笑顔を振りまいているハルカンがどうにも気に食わない。ハルカンと雲田、いわゆる「第一印象最悪同士」という出会いですので、逆にいい感じのバディになるという予感がします。

 指揮を執るのは特命担当大臣の園部(舘ひろし)。この人は亡くなったハルカンの婚約者の父親で、「SDM」構想ももともとは娘の発案だったそうです。娘の計画を大臣が実現しているわけですから、内閣の中でも「SDM」に否定的な見方をする者は少なくありません。「SDM」は各省庁から階級・年齢に関係なく能力本位のエキスパートを集めたそうですので、既存の組織からの反発もある。このへんは『シン・ゴジラ』(16)の「巨災対」を想起させます。実際、後に出てくる「SDM」メンバーには国土交通省から呼び出された地理オタクの人(岡部大)なんかがいて、楽しい感じ。

 そんな「SDM」に最初の出動要請が下りました。福島県で雪崩に巻き込まれた10人が遭難中。救い出せ。ここまでは、非常にスムーズでした。

 ここからはハルカンの腕の見せどころ。さんざんコスり倒された雪山救出劇で、どうやって人の命を助けることになるのかという段取りの「個性」と「奇跡の塩梅」がドラマの成否を分けることになります。ありきたりじゃつまんないし、そんなわけあれへんやろと言わせてはいけない。