しかし、それが後半においてのいいスパイスとなっていて、バイオレンス色の強かった世界観にコミック的世界観を持ち込むことに成功しているし、実際に絵に描いたようなヴィラン(悪役)だ。

 おそらく、プラシャーント・ニール監督は、今作をフランク・ミラーの描くグラフィックノベル『ホーリー・テラー』や『シン・シティ』、『300』のような作品に仕上げたかったのではないだろうか?

『K.G.F:Chapter 1&2』のどちらも、エンドロールがグラフィックノベルを模したものとなっているのは、つまり、そういうことにも思えてくる。

 プラシャーント監督には、まだまだ表には出していない作家性が隠されていそうで、今後の作品からも目が離せない!!

 

『K.G.F:CHAPTER 1』 『K.G.F:CHAPTER 2』
7月14日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー

出演:ヤシュ、シュリーニディ・シェッティ、ラヴィーナー・タンダン、アナント・ナーグ(CHAPTER 1)、サンジャイ・ダット(CHAPTER 2)

監督・脚本:プラシャーント・ニール 
撮影:ブヴァン・ゴウダ 
音楽:ラヴィ・バスルール
『K.G.F: CHAPTER 1』2018年/154分/G
『K.G.F: CHAPTER 2』2022年/166分/G
インド/カンナダ語/シネスコ/5.1ch/字幕翻訳:藤井美佳
字幕監修:池亀彩/配給:TWIN