老後の年金生活について、夫婦できちんと話し合っていますか?老後資金のことは気になるけど、家族とは改まって相談していない、という人も意外といるかもしれません。実際に年金生活を送っている世代のなかには、夫婦で年金生活について事前に話していなかったために、後悔するケースもあるようです。いくつかエピソードをご紹介するので、今後を考える参考にしてみてください。
共働きでお互いの貯金額を知らないまま
ずっと共働きだったSさん夫婦は、住宅ローンなどの固定費はご主人、生活費はSさんといった感じで分担し、残ったお金はそれぞれで管理していました。お互いに貯金額も聞いたことがなく、「ある程度は貯めているだろう」とお互いに考えていたそうです。
ところがいざご主人が定年退職し、初めてお金の話になってビックリ!ご主人は余ったお金をゴルフや飲みにいくのにつぎ込んでいて、貯金はあまりしていなかったのです。一方Sさん自身も、子どもが巣立ってからはお友だちと旅行に行くことが多く、ご主人と大差なしの状態でした。
Sさんいわく、「私の退職金はあまりあてにならないし、正直計算違いでした。年金生活について、もっと早く話し合っておくべきだった」と深く反省したそうです。
月々の生活費を夫が把握しておらず…
年金生活を送るKさんは、二人分の年金をKさんが管理してそこから生活費などを払い、貯金はご主人が管理していました。生活費が足りないときは、ご主人に言って貯蓄から補填してもらっていたそうです。
Kさんは「貯金を使わなくて済むように」と考え、節約してできるだけ年金でまかなえるように頑張っていました。ところが生活費を把握していないご主人はそうとも知らず、「年金だけでこの先も充分だろう」と考え、孫になにかと援助したり、趣味の道具を揃えたりしていたそう。そのため貯蓄はみるみる減っていってしまったのだそうです。
あるとき、通帳の残高をたまたま見たKさんは蒼白に……このままではいけないと思い、慌ててご主人と話し合ったそうです。
生活水準を落とせない妻
Tさんのお宅では、ご主人がお金を管理していました。ご主人が仕事をしているうちは収入もそこそこあったので、Tさんが高い買い物などをしても、特になにも言わずお金を出してくれていたそうです。
ところが貯金と年金で生活するようになってからは、「人生長いし、さすがに今まで通りでは先々に不安がある」ということで、ご主人も節約をすすめるようになりました。けれどTさん自身は、急に節約と言われてもなかなか生活水準を落とせず、そのことでご主人と喧嘩になることも増えたそう。
最終的には「早いうちから老後について話し合い、認識を共有しておけばよかった」とお互いに反省したようです。
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早期退職するなんて聞いてない!
ずっとパート勤務を続けてきたNさんは、子どもがみんな自立したこともあり、自分も勤務日数を減らすつもりでした。ところがその矢先に、なんとご主人から「仕事を早期退職することにした」という驚きのカミングアウトがあったそうです。
詳しく聞いてみると、実は前々から「定年を待たずに辞めよう」と思っていたのだとか。「年金受給が始まるまでは貯金で大丈夫」だとご主人は考えているようですが、そうは言っても不安なので、仕方なくNさんはパートに今まで通り出続けることにしました。
「今まで頑張って働いてくれたから文句は言えない。でもせめて、もっと早く相談してくれれば」と、ご主人を少し恨んだそうです。
リフォームする・しないで大揉め
Oさんは家が古いため、ご主人の退職金が入ったらキッチンとお風呂回りのリフォームをしようと考えていました。ところがいざ退職となりその話をしたところ、ご主人は大反対したそう。というのも、ご主人は退職金を全部投資に回したいと考えていたのです。
「子どもたちが住むわけじゃないし、リフォームなんて無駄遣いだろう」というご主人に対し、「ずっとリフォームしたいのを我慢していたのよ」と反論し大喧嘩になったそうです。年金生活でのお金の遣いどころについては、夫婦で事前に話し合っておくべきだった、と後悔したそうです。
年金生活について夫婦で意識のすり合わせを
年金生活でのお金のやり繰りについては、夫婦できちんと考えのすり合わせをしておかないと、失敗したり喧嘩になったりすることも少なくありません。いざ年金生活に入ったときに後悔しないためにも、老後資金については、なるべく早く夫婦でしっかり話し合っておきましょう。
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文・西島さくら
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