■そんなわけで、不倫とキャンセルカルチャー

 今回は人気男性アナウンサーが不倫一発でテレビに出られなくなっちゃって、オガワ(阿部サダヲ)がアナウンサーをいつまでたっても許さない世間や、それを不必要に拡散するこたつ記事メディア、慎重になりすぎる局の上層部あたりに「許してやれよ、寛容になれよ」という話です。

「最近は、不倫一発でアウトだもんねえ」とか、打ち合わせで愚痴ってたんでしょうか。「まったくネットニュースってクソくだらないよね」「バズればなんでもいいのよ、あいつらは」とか。

 そんで、その通りの脚本をクドカンに書かせて、満足してるわけだ。大切な連ドラの終盤の1回を使って、そんなことをしてる。実にもったいない。

 描かれた不倫についての景色も、不適切な行為をするのはいつも男性で、それを許す女性と許さない女性が登場するというステレオタイプの構図でした。ベッキーや矢口真里が「たった一度の過ち」でメディアにどんな目に遭わされたか、忘れてるのでしょうか。

 しかも、不倫アナをテレビに出す出さないなんて局側の判断でしかないのに、まるで自分たちを心ない世間の批判にさらされる被害者みたいな立場において、メディアや視聴者を揶揄しています。