もともと虐待サバイバーで自己肯定感が著しく欠落している雨ちゃん、そんな状況でまともな判断が下せるはずもなく、お化けの言いなりになって五感を失うことになりました。

 やがてその男・太陽くん(山田裕貴)は雨ちゃんが自分の命と引き換えに五感を差し出したことを知り、ひどく落胆。雨ちゃんがいよいよ五感のすべてを失うと、今度は知らないおじさんのお化けに「雨ちゃんの五感を戻したければ、おまえが死ね」と言われて、自死を選びます。

 死んだ人間にそそのかされて、若い2人が互いの人生をゴミ箱に投げ捨て合う地獄絵図。このドラマで私が見た風景は、ティーンの心の柔らかいところに指を突っ込んで、乱暴にかき回して涙という名の体液を噴出させて喜ぶ大人の男たちの姿です。そんな破廉恥な行為に興じるおじさんクリエイターたちの姿です。

 終わってみればそうだった、という話ではありません。第1話で抱いた嫌悪感そのままに、最終話までずっと気持ち悪かった。レビューから抜粋しながら振り返りましょう。