いやぁ、視聴者というのは気楽なもので、ドラマを眺めてあーだこーだ言ってりゃいいわけで、最終回が終わればすぐに忘れてまた次のドラマを楽しみにすればいい。毎度、ひとつの作品に心血を注いでいらっしゃる創作者の方々には、つくづく頭が下がる思いです。

 今期のフジテレビ月9『君が心をくれたから』最終回。大変な作品でした。

■「自己犠牲=美徳」という徹底した価値観

 好きな男が信号無視して車にはねられて死にそうになり、付き添った病院でも祈るしかない雨ちゃん(永野芽郁)。目の前に、その男の亡き母親が化けて出てきて「うちの息子が死ぬのが嫌なら、おまえの五感を奪わせろ」と迫ります。