今週の第2位はこれ。
岸田政権がデジタル社会実現のため、1丁目1番地の課題として挙げているマイナンバーカード(マイナカード)の取得促進は、2万円のポイント欲しさに入る人が多くなっているという。
2015年に日本国内のすべての住民に12桁の番号が指定されて運用が始まったマイナンバー制度だが、一向に上がらないマイナカードの取得率が歴代政権の悩みの種だった。
業を煮やした岸田文雄総理が状況打開のために投入したのが2万円のポイントと河野太郎という2つの奇策だったと新潮はいう。
「ポイント事業にはすでに2兆円の予算が吸い込まれ、昨年10月には河野氏がマイナカードと一体化した上で健康保険証の廃止を目指すと発表。奇策は功を奏し、今年1月の時点でカードの申請件数は運転免許証の保有者数を上回り、普及率は70%近くに達している」(新潮)
しかし、『超ID社会』などの著書がある、一般社団法人「情報システム学会」常務理事の八木晃二によれば、
「現行のマイナンバーカードには異なる目的を持つ機能が乱暴に放り込まれ、“持ち歩いて良い機能”と、“大切に管理すべき機能”とがごちゃまぜになってしまっています」
新潮によれば、「そもそもマイナンバー制度は、12年で当時の民主党政権が『社会保障と税の公平化・効率化』を掲げて法案を提出したのが始まり。現在も、マイナンバー自体は『社会保障』『税』『災害』の分野でしか使うことができない。だが、番号が記載されたマイナカードにはすでに『電子政府にアクセスするための国民ID』や『全国民共通の身元証明書』といった機能が盛り込まれ、今後も拡大されていく見込みである。
『社会保障と税の改革』も『国民ID』も『身元証明』も、必要なのは本人確認ですから、これらを一つのカードに組み込むことは一見合理的に思えます。ただ、それぞれ求められる本人確認のレベルは、全く別物。マイナンバー制度の設計関係者たちが、それを理解せずに制度設計を進めてしまったと思われます」(同)」
八木によれば、デジタル社会には大きく分けて4つの本人確認が存在するという。