■本格ドラマではなさそう

 全体的なカメラ、照明、余貴美子などはめちゃくちゃ本格ライクですが、どうやらドラマとしてはあんまり本格的ではなさそうです。

 赤楚くん演じる海斗くんが病院を恨んでいる理由もよくわからないし、父親が権力闘争に明け暮れている描写もないので、なんだか駄々っ子みたいに見えるんですね。大学を中退したのも確固たる意志ではなく、留年しちゃったことがきっかけっぽいし。

 あと、週刊誌の仕事も情熱を持ってやってないんですよね。雑誌の仕事の最大のカタルシスは校了の瞬間にあるわけですが、平気で部下の女の子に任せちゃったりしてるし、その部下の子が「世間に声を届けたい」みたいな記者としてのロマンを語ったときも、ピンときてない感じだし。雑誌の仕事をやっていくつもりではあるみたいだけど、意義を感じているわけではなさそう。

 で、「病院に戻る」とか「戻らない」とかいう話をしてるんですね。亡くなった父親が海斗くんを理事に推薦するとか言ってたんです。

 医大を中退してるから医師免許もないし、医療現場での勤務実績もない。ただ理事長の息子だから、出版社から急に転職して大病院の理事になれるという状況。