◆道長が愛しているのは?
まひろの切ない心中に思いを馳せずにはいられない。が、帰ろうとしたタイミングで道長と出くわしてしまうまひろ。
まひろをじっと見つめる道長。それは一体どういう感情が渦巻いているのか……。
ふたりが見つめ合うシーン、その距離感。それだけで切なく、美しい、と感じてしまうのはここまでのふたりを知っているからだろう。
今回は道長と倫子、そしてもうひとり妻である明子(瀧内公美)とのシーンがあった。明子は父が政変で追い落とされ、兼家に対して恨みを持っていた。兼家を呪い殺したい。そんな暗い思いがある。
だからか、道長といるときも表情が重い。子ができた、と言ってもにこりともしない。道長も彼女を無理に笑わせようとする様子は見られない。冷たくもないが、優しくもない。
では倫子に対してはどうだろう。仕事での相談もしているし、娘もかわいがっているようにも見える。が、心の動きが大きくは感じられない。
なのに、まひろと会ったときの心の揺れ幅と言ったら……言葉にしていないのに、想いが伝わってきてしまう。そのまま一緒に逃げ出せたらいいのに、と思うけれど、できないのがふたりである。
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