神田 「長いなあ……。ネギ!」

中丸 「なるほど! 実は、畳の原料となるい草でしたー。というわけで神田さん、残念! ネギは惜しかったですねぇ」

 い草とネギは全然違うのに、「惜しい」と慰める中丸のフォローが意味不明である。いつも神田の回答は惜しくないけれど、毎週「惜しい」と取り繕う中丸の忖度は健気だ。

 筆者は今まで、い草の生産地を意識したことがなかった。なんと、同市が作るい草は国内シェア率が98%だそうだ。スゴい! でも、それって独占禁止法に抵触しないのか? というか、残りの2%はどこなのだろう? そっちのほうも気になった。

 というわけで、い草の田んぼにお邪魔した中丸。い草を植えるシーズンは11月中旬以降らしい。つまり、寒い時期に植えるのだ。だから、この日の中丸はい草植えを手伝うことができる。チャレンジしない手はない。長靴を履いた中丸は、田んぼを突き進んだ。

 そして、ぬかるみに右足を取られてしまう中丸。

「ちょっと、ラッシャー(板前)さんを思い出しましたね」(中丸)

 これは、誰がどう見てもチャンスである。わかってるよな、中丸? 頭から行くべきだ。

「あっ、抜けない! 抜けないぞ、これ!!」(中丸)

 結果、転ばなかった中丸。顔から泥に突っ込んだら、神回になったはずなのに……。すんでで、前任リポーター・ラッシャー板前の二の舞いは避けた中丸。ただ、密かにイズムは継承し、だんだんとラッシャーっぽくなってきている。

 そんな“田んぼ初心者”中丸をフォローしたのは、八代市のい草農家・生田さんであった。

生田 「い草の使い道は、畳だけじゃないんです。こんな物もあるんです」

中丸 「お箸……ですか? えっ、い草でお箸を作れるんですか」

生田 「で、食べられるんですよ」

中丸 「えぇ、意味わかんないんだけどー!」

 おもむろにお箸を食べ始める生田さん。目の前で突如、お箸を食べだす地元民に中丸が戸惑っている。ポッキーじゃないんだから。朝から衝撃映像だ。今まで淡々と話していた素人が急に箸をかじるのだから、さすがの中丸もびっくりだ。

勝俣 「びっくり人間だ!」

中丸 「突然、おかしな行動に走りました」

 い草がお箸になるのは、まあわかる。でも、食用の方向で胸を張るのはストロングポイントとして理解不能だ。しかも、お箸を食べたときに“ポキッ”と音が聞こえたし。それなりに固いのも伝わってきた。無理しないでほしい。

 そして、そのまま「なかまる印」の前半戦は終了である。一般人が唐突に箸を食べ、急に中継が終わる謎映像。「今日は食べ物が出てこないリポートか?」と安堵していたら、まさかの“食べられるお箸”が登場した今回。『旅サラダ』に、いよいよ気が抜けない。