さて、安倍元首相の未亡人、安倍昭恵(60)の話である。彼女が夫と住んでいた渋谷区富ヶ谷の三階建ての自宅マンションは、安倍の母親である洋子と安倍の兄・寛信の名義になっていて、昭恵には相続する権利がない、そのうち、姑の洋子に追い出されるのではないかという“憶測”は、安倍元首相が亡くなった時から囁かれていた。
だが文春が調べたところによると、安倍が好きだった河口湖の近く、山梨県鳴沢村にある別荘も、昭恵には相続する権利がないというのである。
しかも、安倍の死後、約4カ月後に義兄の寛信に「贈与」していたそうだ。この土地も、洋子が所有してきていて、隣接する別荘も、洋子と寛信が所有しているから、もともと昭恵には相続する権利がなかったようなのだ。
2億円以上といわれる、安倍の政治資金も、残務整理や秘書、スタッフへの退職金などに充てられ、昭恵の懐に入るものではないようだ。
では、この後昭恵はどうするのか?
安倍家の関係者がこういっている。
「昭恵さんは、下関の晋三さんの自宅をガラス張りの記念館にして、安倍家の蔵を『古民家バーに改装したい』と言っていました。安倍家の墓参りをして、古民家バーに寄る、という“観光ルート”を作りたいと考えているようです。日本酒が大好きで、居酒屋経営も行ってきた昭恵さんらしい発想なのですが……」
だが、安倍の墓と自宅は40キロ以上離れているから、車でなくては行き来できない。
酒を呑むというのは現実的ではないようだが、昭恵は、ゆくゆくはそこで暮らす意向ではあるようだ。
文春の取材に対して、「はい。そのように思っています」と答えている。
柱の夫がいなくなれば、離れていく人も多いのだろう。寂しい思いをするなら、いっそ、安倍の暮らしたところで静かに暮らそう。そう考えているのかもしれない。
さて、映画監督やプロデューサーに性加害を受けたという告発が文春誌面に載ったのは、2022年の春だった。
監督兼俳優の榊英雄からレイプされたという女優の証言と証拠写真が掲載され、それを機に、多くの女性たちが声を上げ、榊が監督をした映画は公開中止になり、5月には、妻でシンガーソングライターの和との離婚が成立したそうだ。
日本版#MeTooが広がり、ついには、有名女優でモデルの水原希子(32)も、被害の声を上げて、撮影現場は変わり始めているという。
彼女は、外国では当たり前になっている、性的なシーンを撮影する際、俳優と制作側の橋渡し役をする「インティマシー・コーディネーター」を導入すべきだと主張したのである。
今話題のドラマ『エルピスー希望あるいは災いー』(関西テレビ制作)では、これが採用された。
水原のいうように、告発したことで「世の中の流れ、意識が変わったんだなと実感できた」ようだ。
だが、このあとに紹介する宝塚のセクハラのように、まだまだ、そんなこととは無縁の意識の薄い男どもが生息しているのは間違いない。
これでいい、これで終わりではない。この国の#MeTooはまだ始まったばかりなのだから。