新潮が報じた銀座のクラブでの“性加害”トラブル以降、テレビで香川照之の姿を見ることはほとんどなくなってしまった。

 新潮で、その現場にいた雇われママが当時のことを話している。香川は、ホステスだけではなく、彼女の髪を鷲掴みにして、鬼の形相で、ヘアピンを次々に抜き続けたのだ。

 性加害を受けたホステスは、香川を提訴したが、和解や示談ではなく、彼女のほうから取り下げたという。不可解だが、香川側からなんらかの申し出があったのではないか。

 このママは、あの件以来、銀座を離れ、夜の世界からも身を引いたという。だが、彼女には、香川側から謝罪の言葉はないそうだ。

 一不祥事が、香川だけではなく、被害に遭った女性たちの運命も変えてしまったようだ。

 トップにいる人間が、在任中に自分の息子を側近につけるなど、一番やってはいけないことであろう。

 息子のほうも何をやっても親父の七光りだと思われるから、よほどのできた人間でないと、そうした目で見られることに耐えられず、ヨレてしまうことが多い。

 岸田首相の長男の翔太郎(31)もその一人かもしれない。

 慶應大学法学部から三井物産に入り、約6年で退社して親父の公設秘書になった。

 このとき親父は安倍政権の政調会長。だがその後、首相になり、息子を政務の首相秘書官に据えてしまったのだ。

 これには周囲も国民も驚いた。文春がいうように、小泉政権の飯島勲や安倍政権の今井尚哉が務めた要職である。

 それをほとんど経験もない息子にやらせるというのだから、公私混同というより、親バカといったほうがいい。

 自分の任期がそう長くないからと思って、箔をつけさせようとしたのかもしれないが、これも岸田人気を大いに下落させた。

 ではご当人は、どれほどの努力をしているのかと見てみれば秘書官になる前だが、女性記者たちに声をかけては、テキーラの一気飲みをさせていたというのである。

 そして、情報誌のFACTAが、翔太郎が民放の女性記者に情報を漏洩しているのではという疑惑を報じるなど、評判はあまり芳しくはないようである。

 支持率も上がらず、このまま行き倒れ政権になるとしたら、この息子の将来に暗雲が立ち込めるのではないか。

 他人事ながら、心配になる。