ーーギャグの羅列はダメ。
ザコシショウ:R-1の時にYes!アキトに「ギャグの羅列は評価に値しない」と言ったのですが、それを鵜呑みにして彼は次の年にコントに変えてきました。でも僕は変えろというつもりで言ったわけではなかったんです。
たとえば、ファイナルがYes!アキトと吉住の二者になったとします。笑いの量がほぼ一緒だった場合、次の判断材料はネタの質となり、ネタの質が良い方が選ばれる。突き抜けた笑いがあればそれで良いのですが、自分の中で乗り気ではないコントをギャグでつないでいるような設定はギャガーにとって邪魔なんです。なので僕、余計なことを言っちゃったなと思ってます。
ーーそれは実際にR-1の審査員をやられて、気付いたことなのでしょうか。
ザコシショウ:僕が個人的な意見を出していいなら、キ●ガイみたいな芸人に点数をあげると思うんです。でもR-1に関してはウケがすべてだなと思ってます。なぜかというと、ピン芸には色んなジャンルがある中のR-1はいわば異種格闘技の大会であり、判断材料がウケしかないからです。
フリップ芸あり、漫談あり、一人コントあり、ギャグもあり。本来ならばこれらを一緒くたにはできないんです。
たとえば一人コントって、まず設定を観客たちに瞬時にわからせなければいけません。この設定を伝えるために30秒くらい使ってしまうものです。場合によっては30秒無音かもしれない。でも設定でわかったときに全部ひっくり返ってウケるようにもなります。設定をばらすことでウケが取れることができれば、十分に無音の30秒を回収することができます。しかし、それができなければ損なんです。
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