このバルカ共和国での映像は、モンゴルロケで二カ月半かけて撮影されたという。 広大な砂漠から始まり、バルカ警察とのカーチェイス、そして第一話最大の見せ場となる無数の羊と山羊に紛れ込んで乃木たちが馬でクーダンのゲートを通過して日本大使館へと向かうシーンは、日本のテレビドラマにはないスケールの大きな映像となっており、ハリウッド映画の超大作を観ているかのようだった。
一方、話題の豪華キャストも、適材適所の座組みとなっている。それは、一番魅力的で話題になっている出演者が、堺雅人でも阿部寛でも、本放送まで出演が伏せられていた二宮和也でもなく、野崎の協力者・ドラムを演じる元力士の富栄ドラムだということからも明らかだろう。日本語が話せないドラムは、スマホの音声翻訳機能で乃木たちと対話するのだが、音声は本作のナレーションを担当する声優の林原めぐみが担当している。この外見と音声のギャップが実に可笑しい。
日本人キャストの豪華さばかりに目が行きがちだが、敵対するバルカ警察の警察官・チンギス(バルサラハガバ・バタボルド)や、砂漠で乃木を助けてくれた少女・ジャミーン(ナンディン・エルデネ・ホンゴルズラ)といった外国人キャストも魅力的に描かれている。話題先行で終わらない、配慮の行き届いたキャスティングだ。
その意味で、映像と俳優に関しては期待以上のクオリティに仕上がっていると言えるだろう。では、肝心のストーリーに関してはどうか?
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