Facebookなどのようにアカウントの取得が求められない。この点を同報告書は、「一般的な掲示板と異なり、4chanには登録制度がない。返信を投稿する際に名前を入力するオプションがあるが、入力する必要はない。投稿者が名前を入力していない投稿に与えられるデフォルトのユーザー名は“Anonymous(匿名)で表記される」と問題視する。匿名性がゆえに、何を掲示しても責任を問われないと考える白人至上主義者らによる、人種間の憎悪を煽る書き込みが絶えない状況となっているからだ。

 報告書はジェンドロン容疑者が「インターネットの主流から外れた場所で運営されている、匿名かつ事実上管理されていないウェブサイトやプラットフォーム(特に4chan)に掲載されている強烈な人種差別・反ユダヤ主義のコンテンツによって、(憎悪の思想が)過激化した」と本人が供述していることを取り上げ、州法によるこうしたプラットフォームの規制を求めている。

 バッファローの銃乱射事件では犯行後、ジェンドロン容疑者のライブストリームを視聴していた視聴者が、録画された銃乱射事件の生々しい映像を拡散したという。報告書は、4chanを含む類似のプラットフォームが提供する匿名性が、有効な方法で過激なコンテンツを抑制することを拒否しているため、一連のプラットフォームが人種差別的なヘイトスピーチや過激化の温床となり続けていると問題視している。

 ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は同日、「バッファローで起きた痛ましい襲撃事件は、白人至上主義の温床となっている節度なき、オンライン・プラットフォームの真の危険性を露呈した、今日、私は犠牲者の家族と会い、この報告書の調査結果を共有した。この報告書は、オンラインの過激化と過激な思想が、私たちの住むコミュニティ、特に有色人種のコミュニティにとって深刻な脅威であることを改めて証明した。(中略)何も行動せず次の悲劇を待つことはできない。オンライン・プラットフォーム(の運営者)は、憎悪に満ちた危険なコンテンツがそのプラットフォーム上で拡散することを許してしまったことについて責任を負うべきだ」と述べた。