◆子どもをもつ同性カップルの不安
――将来、お子さんにはドナーやパートナーとの関係性について伝えようと考えていますか?
長村:子どもを授かった経緯や想い、そこに協力してくれた人がいること、いろいろな家族のあり方があることなど、嘘はつかずに話します。まだ子どもは1歳4ヶ月なので、一度伝えただけではわかりません。なので、年齢に応じて繰り返し伝えたいと思います。
――子どものいる同性カップルのなかには、周りの目が気になるという人もいるかと思います。お2人にもそのような心配はありますか?
長村:オープンにメディアで発信していると心配になることもありますね。たとえば、近所の人同士でコソコソ話しているのを見て、何の話をしているのかわからないのにネガティブに受け取ってしまったりとか。
少しでもネガティブな情報が漏れてしまうと子どもにレッテルを貼られてしまう可能性があるので、いろんな心配をしてしまいます。私たちが想像している以上に、人から見られているし、言われていると思うので。
茂田:逆に私はそこまで気にしていないんです。さっきの近所の話でいうと、たとえば私たちがしっかり挨拶してゴミ出しのルールを守るなど、私たちから悪い人ではないことを伝えることが大事かと思います。そのためには、自分がいかに堂々と振る舞えるか、元気で明るくいることが1番なのかな。
――同性カップルやその家族が過ごしやすい社会を実現するには、どのようなことが求められますか?
長村:「女性同士のカップルだから~」「お父さんがいないから~」という意見は多いと思うのですが、女性同士のカップルがネガティブな状況にいると感じている人がいるなら、味方になってほしいです。そして、助けてほしいと思います。
茂田:「いろんな人にとって、よりよい社会になるためにはどうしたらいいのか」という考えをもとに行動できたら、それが未来につながるのではないでしょうか。何かに任せるのではなく、自分で考えることが大事だと思います。
<取材・文/Honoka Yamasaki>
【Honoka Yamasaki】
昼間はライターとしてあらゆる性や嗜好について取材。その傍ら、夜は新宿二丁目で踊るダンサーとして活動。
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