健一と志保が出会ったのは2009年頃だと「ホソヤ産業」の元役員がこう語る。

「キャバクラか何か、志保さんは水商売の店に勤めていた。当初は単なる店員と客の関係だったが、浅草の路上でばったり会ったことで、運命を感じたんだそうです。勢いで同棲して結婚したと聞きました」

 結婚から3年後の2012年、細谷家が経営するホテルで事件が起きたという。

「健一さんがホテルの金を横領した挙句、お父さんから一人暮らしをするように買い与えられた浅草のマンションを売却。その金を持ったまま逃げるように千葉県流山市のアパートに転居したんです。健一さんは引越し後、携帯の販売員などをしていたそうです」

 その流山時代に長男、長女が誕生している。ところが、近隣では夫婦の異常な姿が頻繁に目撃されていたという。

「奥さんが『殺せ!』『殺せ!』と狂ったように叫ぶ声が外に響いていた。何度か救急搬送されたこともあったはず」(近隣住民)

 尾羽打ち枯らしたのであろう、逃走資金も底をつき2016年10月、夫婦は2人の子供とともに、健一の両親や姉の住むマンションに戻ったという。それからわずか1年余りで、健一の肉親が相次いで亡くなっている。美輝ちゃんが生まれたのはこの頃だった。

 2019年3月に、志保は夫婦喧嘩の末に、自宅のベランダに放火してしまう。

 この事件で児童相談所は3人の子どもの保護を決定。しかし夫婦は、弁護士を立てて取り戻している。

 次女に薬を飲ませて死なせたのは、亭主への当てつけなのか、夫婦で義理の父や母、姉まで殺したことへの苦しみを紛らせるためだったのか。

「ホソヤ産業」の元役員がこう嘆く。

「生後まもなく児相に引き取られた美輝ちゃんを『自分の子ではない』などと志保さんは語っていました」

 どういう意味なのだろうか。警視庁は健一の姉殺害容疑での再逮捕を視野に、夫婦の捜査を進めているという。全容解明が待たれる。