子持ちの非共働き家庭が最も優遇される?

税率は独身か所帯持ちかにも左右される。国によって税率は異なるが、一般的に賃金税 (所得だけではなく事業や不動産などによる所得にもかかる税金)が最も低いのは、控除や補助金で優遇される子持ち世帯だ。

OECD加盟国の賃金税平均は、2人の子どもがいる非共働き家庭の場合26.1% だが、独身者の平均は35.9%である。日本は独身者が32.6%と平均より低いが、2人の子どもがいる非共働き家庭は27.4%と平 均より若干高い。米国はそれぞれ31.7%、20.8%だ。

その差は  ルクセンブルクとポーランドでは20%以上、ベルギーやドイツ、カナダなど7カ国では15%開く。しかし韓国やギリシャではわずか3%以下、チリやメキシコでは変わらない。

税制改革でニューヨークとカリフォルニア から80万人が移動?

国民はこうした現状をどのように受けとめているのだろう。2018年4月、世論調査会社ギャロップ が実施した調査では、1015人の米成人のうち48%が「税金が高過ぎる」と不満に感じていることが分かった。しかし69%を記録した1968年をピークに、不満を抱える国民は減少傾向にある。

米国では2018年に入り、トランプ政権による大規模な税制改革が実施されている。個人の所得税の最高税率が39.6%から37%に引き下げられたほか、標準控除枠が以前のおよそ2倍に拡大されるなど利点を前面に打ち出しているが、「最大の恩恵を受けるのは高所得層」との非難も上がっている。

しかし保守党のエコノミスト、アーサー・ラッファー氏とスティーブン・ムーア氏は、新たな税制法案により、今後3年にわたり約80万人が税金の高いカリフォルニアとニューヨークから、税金の低い地域へと移動すると予想している。

州・地方税(財産税、所得税または売上税)の控除額上限が 1 万ドルに制限されるため、高所得層が納める税金も高くなるというのが根拠だ。両氏の予想では、カリフォルニアの高所得層の税率は現在の8.5%から13.0%に跳ね上がるという。ニューヨークの1000万ドル以上の高所得者は、税率が50%以上に引き上げられる可能性もあると、保守党のアナリストは見ている (CNBC2018年4月24日付記事 )。

文・アレン・琴子 (英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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