◆“炎上”がダブルミーニングになったタイトル

Netflixシリーズ『御手洗家、炎上する』(Netflixにて独占配信中)
Netflixシリーズ『御手洗家、炎上する』(Netflixにて独占配信中)
――“炎上”というと、ずばりタイトルにも入っている引きのある言葉です。

春名P「このタイトルには惹かれました。令和のいま、アマゾンと聞いて、ジャングルを思い浮かべる人のほうが少ないですよね。それと一緒で、炎上と聞くと、物理的な火事より、SNSの炎上のほうを想起しがちです。このタイトルには、“炎上する”が、ダブルミーニングになっている妙味があります。

最初の火事は、もちろん大事件であり物語の発端ですが、そこから杏子の心のなかではメラメラと復讐の炎が燃え続けていて、やがてそれが真希子とのバチバチの関係に引火していき、真希子は真希子でSNSで自己実現、承認欲求を満たそうとするあまり、皮肉にも「炎上」に足元をすくわれる。

復讐が成功して、『はい、終わり』ではない。炎(炎上)というキーワードによって人間関係の輪が繋がる感じが、人間ドラマとして、映像化したいというモチベーションになりました」