◆冒頭の炎上シーンは、実際に旧御手洗家を作って燃やした!
――冒頭で、御手洗家が文字通り“炎上”します。あの火事のシーンでは、オープンセットを実際に燃やしたと聞きました。本当ですか?
春名P「本当です。元採石場をお借りして、13年前に杏子たちが住んでいた旧御手洗家のセットを組みました。そこで、リビングでのシーンなどを撮影し、すべて撮り終えたあとに燃やしたんです」
――外側だけでなく、旧御手洗家のリビングも作って撮影してから、燃やしたんですか?
春名P「そうです。そんなにシーン数は出てきませんが、幸せだった杏子たちの風景や、かつての真希子たちが来てご飯会をしたりといったお芝居を撮ってから。もちろん今はCGの技術もすごいですから、作ろうと思えばできると思いますけど、でもやっぱり精巧に作りすぎても何かが違うんですよね。
以前、『世界から猫が消えたなら』という映画で、イグアスの滝に30時間以上かけて実際にロケ撮影に行ったのですが、出来上がった映画を観た業界仲間から、『あのイグアスはよく合成できてたね』と言われた経験がありまして(苦笑)。
確かにCGでも描くことは技術的に可能な時代ですが、御手洗家を実際に燃やすことで出せる臨場感みたいなものがあると、制作陣もみんな信じていたから、燃やすと決めたのだと思います」
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