さて、最初は、将来の女性宰相かもしれないと持ち上げられたこともあった小渕優子選対委員長(50)が、突然、茂木派を離脱したお話から。

「もう戻るつもりはないわ。総裁選であの人が立っても、私は付きません!」

 小渕は、そう晴れ晴れとした様子で周囲に語ったという

 1月25日、永田町に衝撃が走った。小渕が所属していた茂木派からの退会を宣言したのである。茂木敏充幹事長(68)を始め、派内に何の根回しもしないで、電撃的な離脱劇だったという。

「この日、茂木氏に退会の意思を伝えた小渕氏は、翌日に退会届を提出しました。この小渕氏退会を契機に、“参院のドン”故・青木幹雄の長男の一彦参院議員や(中略)四人が続々と退会。かねてより茂木氏と距離があるとされた参院平成研の一斉退会や派閥分裂まで囁かれた。結局、分裂は回避されたものの、茂木は二十九日に『いわゆる派閥の解消』を宣言するに至りました」(自民党担当記者)

 政治部デスクもこう解説する。

「小渕氏は十四年に発覚した政治資金規制法違反事件で捜査中にドリルで証拠隠滅した疑いが発覚し、『ドリル優子』の汚名が定着。謹慎を余儀なくされる間、力をつけてきた茂木氏が派閥領袖となった。

 しかし、その茂木氏は、かつて恵三首相が力を入れた対中国外交や沖縄の米軍基地問題に関心を示さない。小渕氏は、平成研のカラーが失われたと感じ始めたようです」

 その小渕には力強い援軍がいるという。それはTBSにいる夫だが、彼が出世したというのだ。

「執行役員《新任》瀬戸口克陽 ヒューマンリソース戦略推進担当」

 1月1日、TBSテレビでこういう辞令が発令されたという。瀬戸口は小渕の夫だが、小渕ブランドを残すために、彼は小渕姓になったそうだ。

 東京大学経済学部卒業後、1996年にTBS入社。同期入社が政界進出前の小渕だった。

 2人は2004年に結婚し2人の息子がいるそうだ。瀬戸口はジャニーズ担当としても有名だったようだ。

 2020年に現場の司令塔である編成局長になり、50歳の今年1月に役員になった。この年齢での執行役員就任は異例なスピード出世だという。

 我がままばかりが目立つ“お嬢ちゃま”が、この先首相の目があるとは、私には思えないが、台風の目ぐらいにはなりそうではある。