日本旅行の最新型

その「小紅書」は中国人女性観光客にとって、必携のガイドブックともなっています。とくに日本は、隅から隅まで徹底解剖されています。例えば、京都嵐山のカフェ、「アラビカ京都」や、銀閣寺近くの「よーじやカフェ」へ、中国人女性を大量動員したのは「小紅書」の力に違いありません。

中国人女性は評判の場所へ出向き、「やっぱり来てよかった」と納得する感覚が好みのようです。「自分の目を付けた投稿は正しかった」と気分も高揚します。それに投稿者は、ほとんど女性ですから安心です。

「小紅書」を頼りに綿密な旅行計画を立て、一人旅を楽しむ中国人女性もたくさんいます。日本語が話せなくても、困ることはまずないそうです。

日本でリラックス

中国人は、国内では常に緊張を強いられています。交渉社会のため、自己主張は欠かせず、スキは見せられません。上司や顧客に遭遇すれば、いちいちヨイショしなければなりません。それらにうんざりすると中国人は「圧力大!」(プレッシャーがきつい)を連発し始めます。日本へ行けば、そうした現実を忘れ、思い切り肩の力を抜くことができます。

訪日中国人数は2010年の141万人から2019年には約959万人と10年で7倍になりました。ビザの緩和など外部要因を除くと、日本にリラクゼーションを求める、リピーターの増加が大きいと考えられます。

2018年ごろまで主流だった「日本のこんなところに驚いた」スタイルの口コミは、すっかり影を潜めました。それだけ互いの理解が深まったといえます。その原動力は、日本の隅々まで体験し尽くそうとする、若い女性たちの行動力だったのでしょう。

その行動力が、コロナ禍により強制中断されています。日本では国内観光が回復し、約80万の日本在留中国人による、「小紅書」などへの投稿も再び盛んになりました。中国人女性リピーターたちの“日本ロス”感覚は、これらに煽られますます高まっているのではないでしょうか。

文・高野悠介

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