◆その人の“好き”にラベルを貼ってはいけない
料理もメイクも“女性的”なものと捉えられやすい。それらを本人たちが能動的に楽しんでいても、「女子力がある」「いい奥さんになれる」といった言葉をぶつけられるケースは少なくない。これは男性であっても同様で、筋トレやドライブなどが“異性のため”と勝手に結び付けられやすい。
“自分のため”を勝手に“誰かのため”だと上書きされることは苦しい。場合によっては白けてしまい、以前のように楽しめなくなることさえある。
もちろん、同僚男性は決して野本を傷つけるために「絶対いいお母さんになるタイプですよね」と言ったわけではない。むしろ褒めているつもりで発した言葉ではあるが、その褒めが「誰かのためになる」というニュアンスを含んでいる場合、一度口に出すことは自重したほうが良いのかもしれない。
『セクシー田中さん』にも、1月からドラマシーズン2が始まる『作りたい女と食べたい女』にも、私たちの先入観や思い込みにふわっと疑問を投げかけるシーンがちりばめられている。その人の“好き”にラベルを勝手に貼らないように気を付けたいと思う。
<文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki