◆自分自身を磨き続けなければ、お芝居なんてできない

林遣都
2007年の主演映画『バッテリー』でデビューを飾った林さん。本作はまだ10代だった頃、『DIVE!!』(2008年)で組んだ熊澤監督との再タッグを果たした作品であり、その点も特別だ。

「2~3年前に出演した映画の試写会に、熊澤監督が来てくださっていて、久々にお会いして“かっこよかったよ”と感想を言っていただきました。それが、映画への取り組み方に対する感想だったんです。“俳優をやるうえでの覚悟みたいなところを感じることができた”といった見方をしていただいて、それがすごく嬉しくって。“あのお芝居が良かった、面白かった”ではなくて、僕自身のことを見てくださって」と振り返る林さん。

さらに当時、監督からもらった言葉を今も大切にしているそうで、そのことを監督にも伝えたとか。

「自分自身を磨き続けることの大切さです。いろんな経験をして、いろんなことを知って。俳優って、それが大前提で、それを高め続けていかないと、お芝居なんて、人を演じるなんてできないと。そういった内容のことを10代の時に言っていただいて、そのことをずっと大事にしていますと監督にお伝えしたら、そういったことを僕の芝居から感じたし、今後も大切にしていって欲しいと言っていただきました」と噛みしめる。

まさに“磨き続ける”大切さを、感じ続けている林さんだからだろう。「これじゃ足りないって常に思っていて。年々ハードルは高くなってきています」と口にする。その姿が、これからをますます期待させる。

<取材・文/望月ふみ 撮影/梁瀬玉実>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi