現在、映画『隣人X -疑惑の彼女-』が公開中の林遣都さん(32)。

多くの人が生きづらさを抱える今、自らの“弱さ”や“痛み”に向き合いながら、役に寄り添い、一体となって表現し続ける俳優・林さんの芝居は、より人々に求められている。そんな林さんが「人を傷つけていいわけなんかない」とメッセージを語った。

◆こういう世の中になればいいなという願い

ブームとなったドラマ『VIVANT』(TBS)では、大きな悲劇に襲われる、主人公の若き日の父・乃木卓を演じた林さん。壮大で非現実的に映りがちな世界観の中で、視聴者を一気に共感させて大きな話題を集めた。

一方、映画『隣人X』は、地球に“惑星難民X”がやってくるというSF世界を舞台としながら、その実は人間ドラマを描く作品。やはり共感へと誘う林さんの好演が光っている。

「脚本をいただいて蓋を開けてみると、描かれていたのは、ここ数年の世の中の出来事を振り返らせてくれる内容や、今の日本の現代社会で目を向けなければいけない問題が描かれていました」と言う林さん。

そして「人に伝えたいこととか、自分がこう生きていきたいとか。熊澤(尚人)監督の思いが、すごく込められていると感じました。簡単な問題ではないんですけど、こういう世の中になればいいなという願いを感じました。そして自分自身、同じようなことを日々思いながら願いながらここ数年、生きていたんです」と続ける。