安倍派の裏金問題を告発した神戸学院大学・上脇博之教授がこう指摘する。

「岸田事務所の(ポストへの=筆者注)回答からは、『祝う会』の催しで集まった資金が、岸田首相の政党支部への寄付で政治資金になったことを認識しているとわかる。

それはつまり、祝う会が政治資金パーティーであったということに他ならない。そうであれば、なおのこと、この『祝う会』パーティーは、岸田首相の関係団体の収支報告書に記載して報告すべきですが、別の任意団体主催の“政治資金パーティーではない催し”ということにして、収支報告書を公表しなくても良い体裁にした。こんな手法がまかり通れば、収支を報告せずに裏まで作れる闇パーティーをやりたい放題になる」

 上脇教授はさらに、「岸田首相には政治資金を透明化するつもりがないという証拠です」という。

 岸田は、自分も無関係ではないと知って、慌てて自派閥を解散したのであろう。場当たり的なやり方に、有権者はますます離れていっている。

 裏金問題で失脚確実だと見られていた西村康稔前経産相(61)だったが、なぜか生き残った。

 検察関係者がこう明かす。

「西村氏は二二年八月二十五日まで事務総長を務めていた。いわば、この間の責任者だった。実際、安倍氏が亡くなった後、西村氏ら派閥幹部が集まり、キックバックに関する“謀議”を重ねていたのです」