派閥の裏金問題は、捜査は中途半端だが、岸田を相当あわてさせたことは間違いない。

 いきなり岸田派を解散するといい出した。

 しかし、ポストによれば、2022年6月12日、岸田自身が地元広島で「総理大臣を祝う会」というパーティーを開いていて、そのカネの収支報告をしていないことがわかったと報じている。

 岸田首相の後援会長である伊藤學人株式会社イトー会長がこう驚いている。

「知らん、そんなもん。ワシが寄付したことになっとん? 全然あずかり知らんよ。パーティーに出席したのは間違いないが、いくら集まったか、会場費がいくらかかったかとか、会計についても、ワシは全く知らない」

 この会には県内の政財界から約1100人が集まったと、新聞で報じられた。だとすれば、会費1万円であれば、単純計算で収入は約1100万円になる。

 ところが岸田首相の資金管理団体「新政治経済研究会」の政治資金収支報告書によると、この年、岸田首相は7回の政治資金パーティーを開いて収支を報告しているが、この「祝う会」については収支どころか、開催したという記載すらないというのである。

 伊藤はこうも語っている。

「その会には後援会長の名前を貸したかも知れんけど、(『祝う会』の)代表になった覚えはない。県と市の官民あげてお祝いした会だったと思うけえ、政治資金パーティーだったかどうかもワシにはわからん。会費を集めた会計を岸田事務所がさせてもろうたのかもしれんね。これはホンマにワシの守備範囲外じゃ、ごめんじゃが」