子供の教育費で最もお金のかかる大学費用。私立よりも国公立の方が学費は安いですが、入試の合否や子供の希望などで私立を選択することもあるでしょう。

文部科学省の調査によると、令和3年度に私立大学に入学した人の初年度学生納付金の平均は、授業料・入学料・施設設備費を合わせて平均1,357,080円でした。また、2年目以降は入学料の支払いはありませんが、いずれにしても年間100万円程度はかかると思っておくべきです。

子供が私立に進学する可能性も考えるならば、大学進学までに子供一人あたり400万円程度用意しておくと安心です。また、金額を用意できない場合には、今回紹介する2つの方法で対応することができます。

■方法1:奨学金

大学費用を用意できない場合、子供に奨学金を利用してもらうのも一つの選択肢です。

奨学金には、返済不要な「給付型」と返済が必要な「貸与型」があります。日本で最も利用されているのは日本学生支援機構(JASSO)の奨学金ですが、大学独自の奨学金制度や民間育英団体による奨学金制度などもあります。

なお、貸与型についても無利子または低金利で、銀行から借り入れする場合に比べると負担は少ないです。

■方法2:教育ローン

奨学金は子供が借り入れする(給付を受ける)制度ですが、教育ローンは親が金融機関から借り入れする方法です。奨学金に比べると金利は高くなりますが、「子供に負担をかけたくない」という思いが強いのであれば利用するのも良いでしょう。

ただし、教育ローンは返済が必要なので、将来の収入も勘案して返済できる見込みがある場合にのみ使うようにしましょう。

■海外は「学費は自分で用意する」のが当たり前?

日本では子供の教育費を親が用意する風潮が強いですが、欧州では「学びたいのであれば子供が自分で学費を準備する」という考えが広まっています。

そのため、奨学金を利用する人もいますし、学費を稼ぐために高校卒業後数年間働き、学費を用意できたら大学進学をする人もいるようです。自分で学費を用意しなければいけないと、学費を無駄にしたくない思いが高まり、大学で積極的に学ぼうとする姿勢になるなどのメリットもあります。

■各制度の特徴をよく理解した上で活用しよう

大学費用は年100万円程度必要なので、親が出すのであれば早めに用意する必要があります。

ただし、家庭の事情で準備ができない場合は奨学金や教育ローンを利用する手もありますので、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で有効活用しましょう。

文・勝目麻希(ファイナンシャル・プランナー) 新卒で総合職としてメガバンクに入行し、法人融資・金融商品販売等を担当。自分の金融知識や実務経験を活かしたいと独学でライターの道へ。現在はファイナンシャル・プランナーの知識を活かして金融系メディアを中心に執筆。