◆48歳・未経験で漫画家デビューに踏み切れた理由は……?

――マンガ「ゴミ清掃員の日常」が出版されるなど、活動も広がっていきましたね。同書籍では、友紀さんが絵を担当されていますが、もともと絵が得意だったのでしょうか?

友紀さん:まったくの素人です。編集者さんが「滝沢さんのゴミ話を漫画にしましょうよ」ってお声掛けくださったのですが、夫は絵が苦手で。「そういえば手紙の隅によくネコの絵とか描いてたな……描ける?」と私に聞いてきたのがきっかけです。

――そのやり取りから書籍化されるなんて…!やってみようと思えたのはなぜだったのでしょう?

友紀さん:当時48歳。全く自信はなかったのですが、この先こんな大きなチャンスはもう二度とないと思いやってみることにしました。

それに、当時子どもが幼かったので、風邪を引いたり熱を出したりで仕事を休むことが多くなってきたこともありますね。少人数の職場だったこともあり「申し訳ないな」と肩身が狭い思いをしていました。なので、在宅で自分のペースでできる仕事にシフトしたいな、と思っていたタイミングだったことも大きいです。

――実際、漫画を描くことになり、まずはどんなことをしたのでしょう?

友紀さん:編集者の方から、iPadで漫画を描くための方法を3時間ほどレクチャーしてもらったのですが、その直後からはもうプロ扱い(笑)。1年後の発売日までに120ページ分、描かなきゃいけなかったのですごく大変でした。

――初めて描くには、かなりハードルが高そうですね。

友紀さん:基本もノウハウも全くわかっておらず時間がかかっちゃうので、編集さんとオンラインでずっとつないで、随時進捗状況がわかるようにしてやっていました。

――でも、初めて挑戦されたとは全く思えない仕上がりです!そこからはイラストレーターとしてのお仕事の幅が広がっていったんですよね。

友紀さん:はい。雑誌で連載している夫のコラムの挿絵とか、東京新聞さんの「東京すくすく」で漫画の連載をしたり、先日はAppleさんでiPadでイラストを描くイベントに登壇させていただいたりと、ありがたいです。