◆「オレの才能はこいつのたかだか100倍か」芸と人格が深く依存

 対女性以外でもこんな発言がありました。

<たとえば、「なんじゃ、こいつ」ぐらいのヤツに比べて、僕の収入が100倍やったとしましょうよ。でも「オレの才能はこいつのたかだか100倍か」と思うんですよ。>(p.107)

『松本人志の怒り 赤版』集英社
『松本人志の怒り 赤版』集英社
 傲岸不遜(ごうがんふそん)。強烈なプライドの根拠となっているのが、確固たる自己認識なのですね。

<笑いということについて、「誰もやったことのないことをやろうとしている」って、これだけ言ってますよね。>(p.137)

 つまり、松本人志の本分は、唯一無二かつ孤高であること。他に何もないのです。それをコントやフリートークなどの芸と、思想や哲学を包み隠さずに語る“私人”としての両面から固めていった。

 いわば、芸と人格が深く依存しあうことによって生まれた特異なタレント、それが松本人志だったのです。

 自らを特別な存在、スペシャルワンだと語る松本の言葉はさらに続きます。