収束する気配がない松本人志の騒動。各界の有名人も批判、擁護それぞれの立場から発言をしています。

◆立川志らくの松本擁護に疑問

 なかでも、立川志らくのコメントが注目を集めました。1月9日に自身のX(旧ツイッター)で、「松本人志さんは芸人。芸人はどれだけ常人には経験出来ない事を経験できるかが勝負。非常識に生きてこそ芸人。」と投稿し、松本に“エール”を送ったのです。

 またしても“芸と人格は別”論です。

 けれども、松本人志も同じ方法で擁護することはできるのでしょうか? 筆者は大いに疑問を抱いています。

 松本の著書を読むと、むしろ芸と人格が密接につながっていることがわかるからです。『遺書』(1994年)、『松本』(1995年)に続く、『松本人志 愛』(1998年)という本があります。(いずれも朝日新聞出版)

『松本人志 愛』 朝日新聞社
『松本人志 愛』 朝日新聞社
 一般的にはベストセラーの『遺書』、『松本』が有名ですが、今回の一件に至る本質は『松本人志 愛』に強くにじみ出ています。松本がいかにして社会現象となり、カリスマ性を身につけていったかがさらに理解できる一冊なのです。いくつか発言を引いてみましょう。