これ、完全にアレですよ。秋葉原でかわいい女の子がキモオタに声かけて、高額な絵画を売りつけるときにやる手法ですよ。全然ロマンチックじゃない。

 まさか月9の主人公を意図的にこういう「怪しいセミナーのちょっと偉い人っぽい手法で女の心に入り込むキャラ」として造形するわけないですから、これはもう脚本家の恋愛観がそういうものだと、そういうのが素敵だと思って作ってるということで、早くも絶望的な気分になってきます。ロマンチックを見たかったのに。

 さらに、ドラマの縦軸として描かれる雨ちゃんの「心」についてですが、雨ちゃんは母親にブン殴られて包丁を突き付けられるという「ザ・虐待」サバイバーでした。おかげで自己肯定感が低く、自分が大嫌いです。

 そのわりに、誘われたらすぐ相合傘には入るし、長崎に帰った初日には名前も知らない若い男のクルマに平気で乗り込んじゃう描写があったり、ちょっと危うい女の子。これも、意図的に「錦糸町あたりでガルバにスカウトされて、何も考えずに付いていったらピンサロだったけどまあいいやと思って働いてそうなキャラ」として造形するわけないので、ああ心理描写より段取り優先の脚本だなと絶望してしまう。