メルカリ経営陣の顔ぶれ

会長兼CEOの山田進太郎氏は楽オク(楽天オークション)の立ち上げに参加した人物です。

その後、2010年にソーシャルゲームの運営会社をアメリカに売却。世界一周旅行へと旅立ちました。

そして帰国した山田氏が富島寛氏と共に創業、5月には石塚亮氏が加わり、「CtoC市場の可能性を信じて」2013年にスタートしたのがメルカリです。

社長兼COOの小泉文明氏はミクシィ <2121> の元CFO。ミクシィの前職は、旧大和証券SMBCでミクシィやディー・エヌ・エーのIPOなどを担当していたという、金融とベンチャーのプロフェッショナルです。

そのほか、経営陣にはIT企業の幹部経験者や企業経験者、金融機関出身者が顔をそろえています。

メルカリの業績は?

それでは、新規上場申請により公開された有価証券報告書で、メルカリの業績を確認していきましょう。

連結ベース(グループ全体の業績)

売上高
2016年6月期:122億円5600万円
2017年6月期:220億円7100万円
2018年6月期第3四半期:261億4700万円

5月14日に発表された2018年度の通期予想は358億円でしたので、事業拡大は順調な伸びを示しているといえそうです。

純損失
2016年度:−3億4800億円
2017年度:−42億700万円
2018年6月期第3四半期:−34億3400万円

2018年度の通期の損益見通しは、海外展開やアプリ利用者拡大のために「多額の広告宣伝費を使用する可能性がある」と示しませんでしたが、2018年6月期弟3四半期業績(7~3月)における純損益は34億3400万円の赤字となっていました。

ただITベンチャー企業の場合、赤字での上場は珍しいことではなく、その企業の将来性にどのくらい価値を見出せるかがポイントとなります。

現在、日本のフリマアプリ市場は急成長しています。

経済産業省の試算では、2017年の同市場は年率58%増の4835億円。メルカリは同市場でダントツの勝ち組であり、さらなる拡大が見込まれると考えてもいいでしょう。

特に海外展開にも積極的なので、創業当時から力を入れているアメリカで高シェアを取ることができれば、世界展開の飛躍も期待できます。

ただし、2017年6月期の日本事業以外の売上高が8億円ほどであることから考えると、海外でも成功と言えるまでにはしばらくかかりそうです。

「IPO投資」はもうかる?近々で上場した4つの企業動向

(写真=kenary820/Shutterstock.com)

メルカリの上場決定で、同社の上場後の初値(上場後に初めてつく値段)に注目が集まっています。

IPOの抽選に当選して初値で売却する、いわゆる「IPO投資」は、もうかる確率が高いと言われている投資法です。

2017年の新規上場は90社で、そのうち初値が公募価格を上回ったのは82社。全体の9割を超える勝率でした。

2018年はといえば、5月までに上場した企業26社のうち24社が公募価格を初値が上回りました。つまり、2018年も引き続き9割を超える高い勝率で利益が出ています。

参考までに、近々でIPOしたIT企業を見てみましょう。