*

 緊張感が走ったのは「今リメイクしたらバズりそうな過去の名作は?」というテーマでの一幕だ。『SLUM DUNK』をはじめとして中年世代のノスタルジーを刺激する作品が数多く作られている現状について、トリックスターとして登場した永野が率直にくるまに問う。

「若いみなさんは、腹は立たないんですか? 自分が令和ロマンの世代だったら、ナメられてる感じになるというか、『君たちは新しく生めないんだ』って言われてるようで」

 これに、蓮見は「めっちゃあります」と同調する。今の蓮見翔という人物は、より新しいものを生み続けることに心血を注いでいる立場であり、どちらかといえば批評や分析をぶつけられる側である。この番組でも、おそらくは「そういう“ゴリゴリに送り手”という立場から見て、優秀な君は何を思う?」と問われる役割を背負わされているのだろう。

 だが、創作側であると同時に批評側でもあり、令和ロマンというコンビを常に俯瞰から批評的に構築してきたくるまは、ノスタルジーブームが嫌じゃないとした上で、まったく忌憚のない意見を返してきた。