■2016年 第12回大会

昨年の9人から一気に5人に審査員が減った今回。銀シャリ、和牛、スーパーマラドーナというbaseよしもとから5upに移行する時期をともに過ごした3組が最終決戦に進み、3組の中で唯一、空白期をまたいで連続出場していた銀シャリが三つ巴を制した。

・敗者復活戦を辞退した2組

準決勝で敗退していた南海キャンディーズとアルコ&ピースが、ともにスケジュールの都合で敗者復活戦を辞退。この年の敗者復活戦は和牛が勝ち抜いたが、とろサーモン(4位)、マヂカルラブリー(11位)、錦鯉(15位)、霜降り明星(18位)という後の歴代王者4組が敗退しているという今となっては豪華すぎるステージだった。三四郎・小宮浩信の「松ちゃん待っててね~」が生まれたのもこの年の敗者復活戦である。

・テレビスター・カミナリの誕生

まったく知らないコンビがめちゃくちゃ面白かった! という現象は『M-1』のひとつの醍醐味であり、そのために予選や準決勝を見ないという人も少なくないと思うが、カミナリもまたそんな衝撃を与えたコンビの1組だろう。

しかもカミナリは、ネタ時間4分のうちの最初の1分をボケなしでゆっくりお話に使った。やれツカミはなるべく早く、ボケ数は多く、という『M-1』の定石をまったく無視した漫才である。そして「5・7・5じゃなくて7・9・7だな!」というツッコミとともに石田たくみの右手が振り下ろされると、その後は拍手笑いの連続となる。

得点こそ伸びず7位に沈んだが、スリムクラブと並んで座っていた暫定席からの退場を告げられると、たくみは内間政成の坊主頭を思い切りひっぱたき「おめえ、カミナリじゃねえな!」とかまし、この日いちばんのウケをさらった。カミナリもまた、翌年のブレイクタレントランキングで優勝者・銀シャリを抑え1位となっている。

・和牛のネタはこの年がいちばん好き。

ドライブデートと花火。このくらいシンプルな和牛が好きでした。