◆「謝れ」芸人にDMを送る“正義マン”たちの暴走

 また、2022年の敗者復活戦でオズワルドが勝ち上がったことも影響している。敗者復活戦で披露された漫才は公式YouTubeに投稿されるが、再生数は1位のオズワルドよりも2位の令和ロマンが多く、令和ロマンの漫才が支持されていた印象。「オズワルドは知名度で選出された」という意見もSNSで散見された。

令和ロマン
令和ロマンは今年M-1ファイナリストに ©M-1グランプリ事務局
 ただ、SNSだけで意見を言い合っていただけならさほど問題はない。オズワルド・伊藤俊介は6月に開催された「M-1」開催記者会見に出席した際、「敗者復活に関しても終わった後、たくさんのDMで『令和ロマンに謝れ』と言われまして」と話している。本当のところ、「令和ロマンに謝れ」といったものだけではなく、恐らくそれ以上に過激なメッセージが送られていたように思う。

 「M-1」の知名度が上がり、“正義感の強い人”も多く視聴するようになった結果、芸人が傷つけられるケースが増加したのではないか。“正義感の強い人”に自重を呼びかけることは難しく、公平性と納得感を保たれたルールを整備する必要があり、運営側は今回の変更を決めたのかもしれない。