いつでも作り立ての温かいお弁当が食べられる「ほっともっと」。職場での昼食としてはもちろん、仕事で帰りが遅くなった日にも重宝しますね。ところであの美味しいお弁当を作っている会社全体の原価率はどのくらいかご存知でしょうか。ほっともっとを運営する会社の数字を調べてみました。

ほっともっとはほっかほっか亭から分裂して誕生

(写真=PIXTA)

ほっともっとと聞くと「え、ほか弁でしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、「ほっともっと」は、ほか弁の名で知られる「ほっかほっか亭」とは異なります。

ほっともっとを運営する「株式会社プレナス」は、「やよい軒」などの経営でも知られる企業です。もとは九州や東日本を中心に、ほっかほっか亭のチェーン店を展開していましたが、2008年にはほっかほっか亭を離脱しています。その後、持ち帰り弁当ブランド「Hotto Motto(ほっともっと)」として店舗運営を開始しました。現在の店舗数は、ほっかほっか亭が931店舗、ほっともっとが2,496店舗となっています(2020年8月現在)。

原価率は約50%とかなり高め

(写真=PIXTA)

ここで、株式会社プレナスが2020年5月に発表した有価証券報告書(対象:2019年3月1日~2020年2月29日)を見てみましょう。報告書によれば、売上高が1,495億7,200万円、売上原価は743億8,900万円でした。これを売上原価÷売上高×100の式に当てはめると、原価率は49.7%と、ほぼ50%近い数字です。データには、やよい軒など他の事業の数字も含まれますが、販売実績の7割以上はほっともっとの売上が占めています。

なお、一般的な原価率は飲食店の場合で25%から30%前後です。この数字と比較しても、株式会社プレナスが運営するお店の原価率は非常に高いことがわかります。

都市部での出店やデリバリー拡大で成長を目指す

(写真=PIXTA)

ただし店側にとっては、原価率が高いほど経営は難しくなります。そこでほっともっとでは今後、あまり出店していなかった都市部への進出や、デリバリーの拡大などを計画。加えて、自社工場での製造を増やすことで利益率アップを図り、さらなる成長を目指すと宣言しています。

いつも温かで美味しいお弁当には理由があった

(写真=PIXTA)

温かくいつでも美味しいほっともっとのお弁当は、経営者の努力と驚きの原価率によって支えられていました。これからも、ほっともっとの成長と変わらない美味しさを、一消費者として見守っていきたいところですね。

文・中村あずさ

【こちらの記事もおすすめ】
ラーメンの原価率はいくら?ラーメン店オーナーに聞いてみた!
モスバーガーの原価率はいくら?元店長に聞いてみた
「丸亀製麺」の原価率はいくら?うどん屋さんに聞いてみた!
「餃子」の原価率はいくら?餃子専門店に聞いてみた!
焼肉食べ放題の原価率はいくら?焼肉屋さんに聞いてみた