そのような中、10月23日から開催された第36回東京国際映画祭は、6年ぶりの新作を宣伝する大チャンスだったはずだが、たけしはそれに出席しなかった。「当然、関係者はたけしが登壇して宣伝することを期待していましたが、姿を見せませんでした。理由はわかりませんが、かつてたけしの要望で始まり、自ら審査員長まで務めていた『東京スポーツ映画大賞』も、再婚した妻がギャラを要求したことから中止になったと伝わっていますから、今回も“ギャラが出ないなら、出ない”と断ったのでは、という噂が流れています」(映画関係者)
別の関係者は、「5月にカンヌ国際映画祭に出品した時は、たけし自ら再婚妻と一緒に現地入りして、“まるで新婚旅行だ”と不興を買いましたが、それでもプロモーションにはなりました。実際、これまでの北野作品は、公開間際になると宣伝プロモーションのため、たけし自らあらゆる媒体のインタビューに応じてきた。ところが、今回はそれがない。たけしは、独立後、軍団だけでなく、それまでたけしのブレーンだったメディア関係者とも距離を置くようになったと言われていますから、その影響なのでしょうか……」と肩を落とす。
『アナログ』は公開3週目で観客動員数50万人を突破しているが、はたして『首』は『アナログ』を超えられるか――注目したい。
(文=本多 圭)