◆犬業界の人でこんなに歩いている人はいないと思う

 まず、映画の感想を伺うと「本当に不思議な映画で後半の漫画の部分とか感動しました。僕も子どもがいるんでちょっと父親目線で観てしまいましたね。あと散歩の仕事が一緒だったので嬉しかったですね」と、森部さん。ご家族もいることが判明。

 ちなみに映画のロケ地は、ペットショップの建物を利用して、クリーニング屋として撮影していたのですが、森部さんは棚に犬のおやつが並んでいるのを見てペットショップだと察していてさすがでした。

散歩屋ケンちゃん
 映画の撮影では散歩のシーンで犬が逃走しかけたり、犬ではなく人間ですが、いしだ壱成さんの姿が見えなくなってしばらく連絡が取れないなどのトラブルがあったそうです。森部さんは散歩中、犬がどこかに行ってしまわないように細心の注意を払っているとか。

「基本的に犬は群れる習性を持っているので、リーダーの僕が立ち止まると一斉に止まってその場にじっとしているんですよね」

 たしかに犬たちの足並みが揃っていて統率が取れていました。散歩は長い時で約4時間とのことで結構疲れそうですが……。

「真夏だと2時間半くらいなんですが、毎日3、4時間くらい歩いている生活を16年ほど続けています。もう1万時間くらい歩いて、犬業界の人でこんなに歩いている人はいないと思うんですが、めちゃくちゃ歩くことが健康につながってるんだなっていうのが発見できて。

 公園で自然を感じて太陽を浴びるっていうすごいシンプルなことなんですが、犬たちも僕も全く病気しないんですよね」

 普通の犬を飼っている人はそんなに何時間も散歩できないので、森部さんのような方に頼むのがベストなのでしょうか。散歩屋という仕事の認知が高まれば、世の飼い犬たちの健康状態が良くなりそうです。