炎上するとどうなる?

ネットで炎上すると具体的にどういったことが起こるのでしょう。近年、ネット上の炎上が発端となり社会問題化した事例から、炎上のリスクについて考えてみましょう。

アルバイト先で悪ふざけをした動画が拡散され解雇

2019年2月、SNSにアップされたのは回転ずし店に勤務するアルバイト従業員が、ゴミ箱に捨ててあった魚を拾って再度調理する動画でした。

この動画は一気に拡散され、多くの人の非難を浴びる炎上騒動に発展。炎上を知ったこの企業は動画を撮影した2人のアルバイト従業員を解雇し、法的措置を取ることを発表しました。

飲食店などの従業員が勤務先での“悪ふざけ”をネット上にアップして炎上する現象は「バイトテロ」と呼ばれます。ほかの企業でも同様の炎上が続いたことから、再発防止に向けた研修を行う企業もありました。

2012年、流行語大賞の候補になった「ステマ」

2012年の流行語にもなった「ステマ」も、たびたびSNSで炎上しています。ステマとは、ステルスマーケティングの略語で、宣伝であることを隠してユーザーにネット上で働きかけることを指します。

芸能人やインフルエンサーなどに報酬を渡して行われたり、一般人のアカウントを装って宣伝したり、ステマにはいくつかの手法があります。一般的にはモラルに反する行為とされ、ステマが発覚した場合には炎上騒動に発展することも少なくありません。

炎上が発端となり職や社会的立場、ときには企業や個人のイメージが一瞬で損なわれることがあります。知らずに炎上の火種となる情報を拡散していたり、自分の投稿が意図しない形で誰かに拡散されていたり、ネットには便利で楽しい側面がある一方で計り知れないリスクもあると理解することが重要です。

ネットやSNSを上手に使いこなすには?

このようなトラブルを避け、インターネットやSNSをうまく使いこなすには、ネットリテラシーを身につけることが有効です。利用するサービス(アプリ)の仕組みやルールは、最低限の部分を把握してから利用するよう心がけましょう。

またネットやSNSなどで情報を得るとき・発信するときは次のことに気をつけましょう。

情報を「受け取る」ときのネットリテラシー

SNSやブログなど、ネットでは個人が自由に投稿できるという特性上、正しくない情報や悪意のある内容が公開されていることがあります。

こうしたネット上に流れている情報を鵜呑みにせず、いくつかの情報を見比べたり、公式情報やニュースなど信頼性の高い情報源を自分で確認しましょう。普段から公式アカウントや信頼できる情報機関のアカウントをフォローしておくのもいいでしょう。

情報を「発信する」ときのネットリテラシー

SNSにおいて、誰でも見ることのできるような投稿をするときは、個人が特定される情報や写真などの公開は控えましょう。自宅から写した風景の写真から自宅が特定されることもあります。何気ない投稿から個人情報がわかってしまいトラブルや事件に巻き込まれるケースもあるので注意しましょう。

さらに自分が発信する情報は、対面で人と話すのと同じくらいの慎重さを忘れないことが大切です。感情的にひどい言葉を投げかける、思い込みで間違った情報を拡散させるなどのことが、炎上の火種になるかもしれない、ということを頭に入れておきましょう。

リテラシーを身に付けて、ネットとのよい関係を作ろう

インターネットやSNSは、とても便利で生活に欠かせないという人も多いでしょう。たくさんの情報やサービスを受けることができ、時には暗い気持ちを晴らしてくれることもあります。一方で、ポジティブな気持ちでネットを利用している人ばかりではない、ということを忘れないようにしましょう。ネットやSNSと良い関係を築いていくためには、ネットリテラシーを身につけることが重要です。そして、よい関係を続けるためにも、便利さとリスクの両方への理解を深めていきましょう。

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