炎上騒動から誹謗中傷、フェイクニュースまで、近年ますます注目されるインターネット上のトラブル。コロナ禍においても、さまざまな批判や中傷がSNS上に集中し社会問題となりました。有名人や企業のみならず、一般人も炎上の対象となったことに驚いた人も多いのではないでしょうか。そこで今の時代に、私たちが心得ておくべきネットリテラシーについてまとめてみました。
「炎上」とはどんな状態のこと?
「炎上」とはTwitterなどのSNS上で、ネガティブなコメントが集中的に投稿され、収拾が付かなくなることを意味するネット用語です。
実際に火事が起こるわけではありませんが、まるで炎が燃え上がるように批判や中傷などが次々と投稿・拡散され、ネガティブなコメントが多くの人の目に触れるようになります。炎上の対象になるのは有名人や企業などのほか、一般人であるケースもあります。
インターネットにネガティブな情報が広がると、全てを完全に消し去ることは不可能になるのが現状です。こうした過去のインターネット上の投稿が長期間にわたって残ることは「デジタルタトゥー」とも呼ばれ、近年社会問題になっています。
炎上を防ぐにはどうすればいいの?
自分が発信する情報を炎上させないための最も効果的な方法は、不適切な投稿をしないことです。法や倫理に反する行為について不用意に書き込むことや、他人を不快にさせるような投稿も控えるべきでしょう。
とはいえ、価値観やものの考え方は人それぞれ。誰かにとっては正しいことも、別の誰かにとっては間違っている、ということもあります。これらを十分に注意していても、予期しない炎上が起きることも今や珍しいことではありません。何が不適切と判断されるかは、社会の状況や時代によっても移り変わっていくものです。
最近では新型コロナウイルスの感染拡大や、2020年5月に起きた米国の黒人男性圧迫死事件をきっかけに拡大したデモなどに関連して、SNS上の発言や企業の企画が非難されるケースもありました。悪意がなかったとしても、ひとたび世の中に情報が出てしまえば、それは炎上する可能性をはらんでいるのです。
その上で、炎上を防ぎ、インターネットをポジティブな意味で有効に使うには、ネットリテラシーを身につけることがとても大切です。
ネットリテラシーとは?
ネットリテラシーとは、インターネットを正しく使いこなすための能力や知識のことです。
- ネット上の情報が正しいか判断できる
・多くの情報から自分に必要なものを取捨選択できる
・ネットで見た情報に対して適切な対処ができる
・ネットショッピングでの決済など、電子商取引に正しく対応できる
・インターネットの利用料金や時間をコントロールできる
・プライバシーの保護やセキュリティー対策ができる
英語でのliteracy(リテラシー)とは「読み書きする能力」のことで、これから転じて知識や応用力といった意味で使われます。
次々と新たなサービスや概念が生まれるインターネットは、今や生活に欠かせない存在となりました。自分の知識や能力(=リテラシー)を常にアップデートしながらネットの世界と付き合っていくことが求められています。