そもそもなぜこのようなことになってしまったのか? なぜ7枚しかチケットが売れなかったのか?その原因は芸人のチケット販売に対する意識に他ならない。
もしこれが知名度が少ない役者が行うイベントなら当日7枚しかチケットが売れていないという状況はまずない。何故なら役者たちの基本姿勢として、チケット販売は役者が自ら行うというのが通例となっているからだ。それなりのチケット販売サイトを利用していたとしても、イベントなどは自分の知り合いやファンの方に対して個別に連絡し、チケットを買ってもらうというのが役者の当たり前になっており、そのチケットを販売した枚数で自分のギャランティが変化するのだ。
なのである程度ギャランティを稼ぐためにも一生懸命チケットを販売するのだ。ではなぜ芸人はチケットを手売りしないか。それはギャランティに直接チケットが影響しないからである。先述したように所属事務所が行うようなライブはプロモーションが目的なので、基本的に芸人はノーギャラである。もちろん今の時代、役者と同じチケットを手売りしてギャラに反映するというシステムを取り入れているお笑いライブもあるが、流れ星☆さんたちの時代はノーギャラだ。
さらに、もしギャラが出るようなライブだとしても基本的にギャラは固定で決まっており、お客さんの入りに左右されない。なので前時代の芸人たちは手売りをするということをしないのだ。
これは芸人が悪いわけでは無い。そのようなシステムが構築されていないことに問題がある。今はある程度自主ライブが多くなっているので、役者のような手売りシステムを行うライブも多いが、それでもまだまだ手売りに対しての知識や情報が薄い。さらに手売りをする場合、知り合いに連絡することが多く、ファンの人たちは買ってくれるだろうと高を括っているのだ。僕自身は芸人も経験し、そして劇団も主宰しているのでわかるのだが、明らかに役者のチケット販売方法の方が集客できる。もちろん知名度が低いというのが前提だが。