ところで、私はサッカーにはあまり興味はないが、ヴィッセル神戸にいたイニエスタ(39)の名前は知っている。
親日家で、日本で引退するといわれていたようだが、先月、突然、アラブ首長国連邦のクラブへ移籍すると発表して日本を去ってしまった。
アラブ首長国連邦といえば、サッカーはもちろん、ゴルフなどでも金に飽かせて有名選手を引き抜き、悪名が轟いている国である。
どうせカネに転んだのだろうが、飛ぶ鳥跡を濁して、日本のサッカーファンたちをがっかりさせたことは間違いない。
そのイニエスタが、彼と組んで日本のサッカーを盛り上げようと意図していた大阪の広告代理店と、やはりカネのことでもめていると新潮が報じている。
「今年4月、イニエスタが役員を務めるマネジメント会社から、“5500万円の損害賠償を支払え”との不可解な訴訟を大阪地裁に起こされたんです」(大阪に本社を置く広告会社の関係者)
「訴えてきたマネジメント会社とは、イニエスタのファンクラブやYouTube公式チャンネルの運営に関する契約を結んでいたんですが、ふたを開けたら先方は契約書に書かれたことを履行してくれないどころか、ロクに連絡さえ取れない始末。そんな状態では運営などできるはずもなく全て中止に追い込まれました。会員の皆さんへの謝罪や返金などの対応にも追われる中、裁判を起こされたのです」(同)
関係者が続ける。
「契約前にディスカッションを何度も行いましたが、イニエスタ本人も“イイよ! 進めよう!”と言ってくれて、マネジメント会社の社長やスタッフたちも乗り気だったんですよ」
新潮によれば、昨年8月に双方で契約が交わされ、11月には「イニエスタ Family club」と題した公式サイトや、動画チャンネルも本格的に始動。会員増を狙い数々の特典が発表されたという。
だが、ファンクラブの運営は困難を極めたそうだ。
「昨年8月に契約が交わされてから、1、2カ月もしないうちにボロが出始めました。先方とは週2回のミーティングを予定していたのですが、連絡なく欠席することもしばしばで、2週間も連絡が取れなくなることもありました。どうして連絡が取れなかったのかも説明なし。大事な記者会見の日程決めでも、くり返しイニエスタのスケジュールを教えてと頼んでいるのに連絡を寄越さない。ようやく会見の日程が決まったのは、開催2週間前のことでした」
メッシなどとの対談をするという約束も反故にされた。挙句に、イニエスタ側が、契約で決めたカネが入金されていないという理由で、契約解除だといってきたそうだ。
広告会社側も、
「何より契約にあたってわれわれがイニエスタ側に預けていたデポジットが1億円強返金されていませんから、損害賠償と合わせて1億5千万円規模の反訴を行うことにしました」
第二の故郷などといっていたのに、残ったのはカネをめぐる訴訟沙汰では、嘘だったことが明白である。有名だというだけで大枚のカネを投じて海外から選手を引っ張ってくる三流国的なやり方はもう止めるべき時にきているのではないか。
ラグビーなどは特殊事情があるにしても、レギュラーの大半が他国の選手である。あれを見ていると、まだまだラグビーは三流国だなと思わざるを得ないのだが。