◆「普通の人みたいに働きたい」という願望か
写真を撮ってもらえればアイドルになれると思い込んでいる友子は「パパありがとう、今までお世話になりました」と両親の前で口にしていた。この発言から、友子としては「アイドルになりたい」という想い以上に、「働いてお金を稼ぎたい」「両親に頼らずに自立したい」という意識が強い印象を受ける。友子は有紗よりも障害が重く、働いてお金を稼いだという経験が乏しいため、「“普通の人”みたいに働きたい」という願望があったのかもしれない。
有紗はミスをして陰口を叩かれながらも“普通”に働いているが、一方で、普通に働くことに憧れを抱く友子のような人もいるのではないか。障害者と聞くとどうしても自分の思い描くカテゴリーにはめ込んで、ひとくくりに捉えようとしてしまいやすい。友子にスポットライトが当たることにより、障害には階層があり、人によっても異なることがわかった。
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