この半年、数々のわだかまりやトラブルを経て心の成長を遂げてきた3年D組。今夜放送の最終話では、いよいよ巣立ちの日を迎える。1周目の人生で九条を突き落とした犯人との直接対決となるようだ。

 第9話のラストシーンで九条は「私を突き落としたあの手の持ち主は、西野さんではない。“あの人”であることは間違いない。これからの約半年、私は“あの人”のことを考え続けることになる」とナレーションが入る。つまり、九条は犯人の目星がついていることになる。また、相楽が逃げだした浜岡を見つけ出し、「西野が困った状況」であることを浜岡に教えたのは誰か問い詰める場面もあった。となると、やはり犯人はD組の生徒であるのは間違いないだろう。浜岡に西野の状況を知らせ、西野の暴走を促していた人物が九条を突き落とす犯人だとしたら、それはD組が平和になることをおもしろく思わず、むしろ混沌とすることを楽しむ人物。やはり最有力候補は、星崎ではないか。

 星崎といえば、第3話冒頭では、「いつからだろう……俺がこの高校生活を景色のようにただ眺めて過ごすようになったのは」「でも最近はその景色が急激にゆがんできたんだ。この世界は何でも起きることを知り始めたから」という星崎のモノローグに続き、「九条里奈を殺害する」という黒板の文字を見て「ヤバ……」と興奮する星崎の姿があった。また星崎は、九条を担任から外そうという署名に「ノリノリ」でサインしたことを藤原大志(山下幸輝)に意外だと言われると、「だって楽しみじゃない? 先生がこっからどうすんのか」とニヤニヤして答えていた。そして第3話ラストシーンでは、「先生がヤバいから」学校生活が最近楽しいと九条にすり寄り、「先生の映画撮らせてください」と言い出していた。以来、九条が2周目の人生を生きていることを掴んだり、浜岡が校内に侵入する様子をキャッチしたりと、用意周到なほどにあらゆるところでカメラを回している星崎。九条の1周目の人生でも、日常がつまらないあまり、卒業式の日に担任教師が転落死するという“映画”を撮ろうとしていたのだとしたら。第9話でも、自ら命を絶とうとしていた西野たちの説得の場に星崎は後から駆けつけていたが、もしかするとどこかに隠れ、作品の一部としてこっそり撮影していた可能性もある。また、星崎のこれまでの反応からして、星崎も2周目を生きている可能性も十分あるだろう。