しかしこれがライブや生放送などの場合そうはいかない。その時、その瞬間を切り取るので失敗は失敗、ハプニングはハプニングとして視聴者やお客さんに伝わってしまうのだ。
最も多い芸人のハプニングは何といっても「遅刻」だ。「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で「寝坊癖相方遅刻させチャレンジ」という企画が成立するほど、遅刻する芸人は多い。ちなみに今でも記憶に残っているのは2013年の元旦に放送された「初詣!爆笑ヒットパレード」(フジテレビ系)において、出演予定だった千鳥のノブさんが自分の出番のひとつ前の芸人で目を覚まし、番組終了ぎりぎりでなんとか現場に到着したという大遅刻エピソードだ。
毎日同じ時間に起きて同じ時間に家を出るという仕事ではない為、生活リズムがメチャクチャで、僕が芸人をしていたときも、夜中の3時に仕事が終わり、次の日の朝6時に現地集合という何とも普通ではないスケジュールが普通にまかり通っていた。仕事が重なってしまい本当に忙しくなったときは、3日間で家に帰ったのは計2時間、寝るのは移動中や楽屋のみで、トータル5時間も寝られないというとんでもないスケジュールに襲われたこともあった。
そうなると寝坊や遅刻を避けるには寝ないという選択肢が一番良いように感じるのだが、寝ないなら寝ないで、本番のパフォーマンスを著しく低下させるというデメリットもある。なので売れっ子になればなるほど、マネージャーさんや運転手さんに家まで迎えに来てもらい移動中に寝るというスタイルになる。もちろん電車などで顔を差されない為の防止策でもあるのだが。
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